拷問のプロフェッショナルだからといってSとは限らない。
案外と私生活は正反対ということもあるもんだ。
それを象徴するように、目の前にタイミングよく話題の男が現れる。
ホームのサロンで、俺とノブナガとウボォーで他愛の無い話しで盛り上がっていた。
そこへ暫らく姿を見せていなかったフェイタンが、どこぞから帰ってくる。
ソファーに深く腰掛けていたウボォーが身をのりだし、自室に行こうとしていたフェイタンに話しかける。
「おいフェイタン。ちょうどいいところに戻ってきたぜ。お前に訊きたいことがある」
挨拶なんぞ抜きにして、ダイレクトに本題かよ！
こういう時は普通、『よっ、久々だな』とか、『どこへ行ってたんだ？しばらく顔を見せなかったな』くらいの声は掛けるだろうが。
何も考えず、遠慮なく物事を訊けるウボォーが羨ましい。
下心もかけ引きもないから、相手に警戒心を与えない。
だから知りたい答えがストレートに返ってくる。
俺なんか長年疑問に感じていても、なまじ仲がいい分遠慮が入り、邪まな妄想に囚われ上手く訊ことが出来やしない。
あの爽やか童顔青年のように、顔色を変えずに訊けるほどずうずうしくもないし、我ながら不器用だと思う。
そのくせありあまる好奇心から、ドキドキしながら期待どおりの答えを待っている。
すでに俺の顔には姦邪な表情が表れていたのか、フェイタンの目に警戒色が宿る。
細い目を更に細め、話しかけたウボォーから俺に視線を移していた。
「それで何を訊きたいか？」
口元は立てた襟で見えないが、不信感から歪めているに違いない。
その証拠に低くこもった声に棘がある。
「いや何。今お前の話しで盛り上がっていたところだ。フェイがＳかＭかって」
訊きづらい質問を、実にあっさりとウボォーが訊いてくれた。
そのせいか俺に向けられた不愉快さとは違い、棘の抜けた声で答えが返ってくる。
「そんなことね。ワタシＭよ。それが何か問題あるか？」
ウボォーが手首を胸元で、左右にぶんぶんと振る。
「ないない。やっぱりＭか。ならいいんだ。だぶんそうだと、フィンクス達とも話していたところだ」
馬鹿野郎！余計なことを言うな、ウボォー！！
気まずさから俺の視線が宙を泳ぐ。
そのくせ期待どおりの答えに心の中で、笑いを噛みしめていた。
だがそんなことは気にも止めずにフェイタンは、
「今も女のところで楽しんで来たところよ。さすが商売女はプロだけのことあるね。 今回は少しハードで、さすがのワタシも疲れたね。 これから部屋で少し休むよ」
そう言うと、自室のある２階に向かって階段を上っていく。
気持ち、身軽なはずのフェイタンの足取りが、やや重いような気がする。
それほど激しいプレイで体力を消耗してきたのか？
ここ数日留守だった全ての時間を、プレイに費やしていたのかよ？
思わずプレイの内容を想像してしまい、笑いがこみ上げてくる。
フェイタンの体力が回復したら、どんな風に楽しんで来たのか、ウボォーに事細かく訊いて貰うことにしよう。
けっきょく俺達３人が想像していた結果なのだが、他の連中はどうなのだろうかという話しで更に盛り上がる。
クロロは完全な真正のＳだ！それもどＳに違いない。
ベットの上で縛った女にベンズナイフを突き付け、下着を少しずつ切り裂いていく。
そして卑猥でＳ的な言葉で責めまくる。
知識のある男だから、ありとあらゆるテクニックを試していそうだ。
女が悶絶している姿が目に浮かぶ。
シャルはプチＭに見せたプチＳ。
かわいい素振りをしながら、女を追い詰める。
責めさせているようで、実は奴が責めている。
？……これって、普通にＳじゃないか。
ヒソカは疑いもなくＭだが、多少のＳは入っているかもしれない。
何しろ自分の腕を平気で切り落とす奴だ。
セルフＭぐらい、お手のものに違いない。
バンジーガムで自分を縛り、器用に道具を使って自慰に耽っているに違いない。
案外と幼児プレイが好みだったりして。
ボノレノフ！？あいつは言うまでもなくＭだぜ！
あの包帯の下に隠された穴の開いた身体を見れば、最強のＭであることは疑う余地もない。
コルトピか、あいつは難しいな。
何しろ髪の毛で顔も表情も分からないうえ、性別すら不明。
ＳかＭか？機会があったら訊いてみてくれ、ウボォー。
フランクリンはある意味解脱しているというか……
むしろＳとＭに参加せず、プレイを観賞しているような感がある。
プレイの後に、有り難い法話を聞かせてくれそうだ。
『汝、右の頬を打たれたら左の頬も差し出せ』的プレイの推奨をしてくれる。
マチは確実にＳだ。
何しろ針という最強のＳアイテムを持っているのだから。
それに糸を操るのだから、縛るテクニックは最高だろう。
亀甲縛りなどの緊縛は、得意中の得意♪
だがこちらの希望としては、意表をついてＭであってくれると嬉しい。
気の強い女のＭ姿は、そそられるだろ？あくまでも希望だが。
こんなことを本人の前で言ったら、確実に殺される。
パクはＳとＭの混合だな。
念能力を使って記憶を掬い、相手の弱点を読み取りそこを効果的に責めそうだ。
けっこう性質の悪いプレイがお気に入りなんじゃないか？
だが惚れた男には、ひぃーひぃー言わせてもらいたいタイプだと思う。
シズク？あいつも絶対にＳだ！
掃除機のデメちゃんで殴りまくるお仕置きプレイを、すっとぼけた顔でやっているに決まっている。
後は吸引プレイみたいな……
めがねっ娘こに責めて欲しいという需要はかなりあるらしい。
で、俺達３人はどっちなんだって？もちろん〇に決まっているだろ♪
End
2016/07/06 改稿
2009/04/25
BackＳとＭの妄想が果てしなく広がる……萌える
後日、フェイタン談 拷問を極めるため、自らの身体を実験台に……これがあら、意外といけるで目覚めたそうな。
フランクリン、思いっきり俗物です。 シズク、デメちゃんを使って吸引プレイ♪どこを？