ごめん……クロロ……
どうやら俺はもう一緒に冒険が出来ないみたいだ
先に逝くのは辛いけど、クロロだけは無事でいて……
NO357 残念②より
B・W号に乗船し、カキン王族のお宝を奪う件をシャルナークと携帯で話し、しばらくたったころ……俺の全身がゾワリとした。
それが意味するものを確認するため、俺は歩いていた人通りの多い繁華街から、誰もいない路地裏に急いで入り込む。
そして通りの片側に身を寄せ、右手に『盗賊の極意』を発動させた。
ページを捲る手がじれったく、ほんの数秒のことにいらついてしまう。
目的のページを見付ければ、あるべきページは白紙に戻っていた。
消えてしまったのはヒソカと戦うために借りたコルトピの能力。
何が原因でこんなことになったのかは分からないが、コルトピの身に何が起きたのかは分かる。
今さらコルトピに電話してもしょうがない。
目下俺に出来ることはコルトピと行動を共にしているであろうシャルナークに、１秒でも早く連絡を付けること。
１回、２回と呼び出し音が鳴る。
左手に携帯を持ち、右手には『盗賊の極意』を発動させたままにしておく。
何をしているんだ、シャルナーク！早く電話に出ろ！頼むから繋がってくれ！！
祈るような気持ちでシャルナークから借りている『携帯する他人の運命』を、アンテナはないが『盗賊の極意』から解除しようとした。
その時だった、再び全身が総毛立つ。
コルトピと向かい合わせにあったシャルナークの顔がすっと消える。
｢シャル！！」
俺が叫んだ声は声になっていなかった。
たった今まであったシャルナークの笑顔が、最初からなかったかのように、真っ白なページに戻る。
目の当たりに見た出来事に目を見開いていた。
ウソであってくれと願う気持ちは、何もない見開きに現実を突きつけられる。
俺はその意味に、路地に建つ雑居ビルの壁にがっくりと凭れ掛かる。
そうでもしないと立っていられない。
力を失い、だらりと垂れ下がった俺の手の中で握られていた携帯が着信を知らせる。
慌ててディスプレイを見ればマチの名前が表示されている。
俺はマチに電話を切り替える。
『団長、ヒソカが復活した！あいつは私達を/////』
マチの言葉を最後まで聞くことなく、何がシャルナークとコルトピの身に起きたのか理解した。
俺の全身が初めて経験する瞋恚に震え、噛みしめた唇からは血が零れる。
遠くで聞こえるマチの声
失ってしまった２人の命
ヒソカに対する憎悪
そして自分への怒り
俺の感情が坩堝の中で爆発する
今度は二度と生き返らぬよう、おまえの全てをこの世から消し去ってやる！
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蜘蛛の手足であるということ八重の遠蓋棺事定 たむけのなはEnd
2016/07/13
Back＊完全にネタばれです
コルトピの生首を前に、ブランコに座らせられたシャルナークの遺体はショックでした。その遺体をカラスが突っつくシーンは……
作品的にはシャルナークがヒソカに殺されたことを前提に書いている作品ですが、クロロが用意周到に準備している中で、ヒソカや能力を借りているメンバーの運命を『天使の自動筆記』で占っていないのは不自然かと。ネット民の中には、ヒソカは一度死んでいるのだから予言は占えないという意見もありましたが、一度死んでも生きかえっているので占えるのではないかと私は考えています。もしくはそのことを示唆する占いは出来るのではないかと。また何らかの事情で占うことが出来なかったのなら……
またネット上ではクロロ共闘説が主流を占めているようですが、今後の展開の中で明らかになってくるのでしょうね……たぶん。
取り敢えず今回は、共闘説は抜きで書いています。